歯周病の治療薬: 2010年11月アーカイブ

歯周病を薬で治そうという試みは古くからなされてきました。

しかし、特効薬はなく薬のみで治すのは不可能です。

歯肉炎、歯周炎ともに治療の基本は原因の除去、

すなわち歯ブラシを用いた口腔清掃や専用の機器(スケーラー)を用いた

スケーリング(歯石除去)等の物理的な清掃が基本であり、

薬物療法はあくまでも補助的なものです。

歯周治療に用いられる薬物は使用法の面から局所に用いるもの

全身的(服用など)に用いるものに分けられます。

いずれの薬物も副作用を考慮することが大切で、とくに長期の使用には注意を要します。

 

 

歯周治療の消毒剤としては、主にうがい薬を用い、

歯肉と歯のすきま(歯周ポケット)や歯肉表面などの細菌を殺したり増殖を防ぎ、

歯肉の炎症を改善する目的で用いられます。

さらにプラーク(歯垢)の抑制にも用いられます。

しかしこれらの薬物の効果には限界があり先に述べたように

歯ブラシやスケーラーによる物理的清掃を優先させることが大切です。

現在ではおもに、歯肉が腫れたり痛みがあったりと急性の症状がある場合、

歯周病治療の手術の前後に多く用いられています。

 

 

歯周治療での抗菌剤使用としては、局所的に用いる歯周ポケット内貼薬療法と、

内服(経口全身投与)の二つがあります。

まず局所的に用いる歯周ポケット内貼薬療法は、歯周ポケット内へ抗菌剤を挿入し、

歯周ポケット内の有害な細菌を減少させて、

歯周病を改善することを目的とした治療法です。

歯周ポケット内の細菌に対してとくに有効な抗菌剤をポケット内に挿入し、

除放性にして長時間高濃度を保ち、有害菌を減少させる治療法です。

この治療法は抗菌剤の全身投与に比べて副作用が少ない利点があります。

歯周ポケット内に直接抗菌剤を作用させるため投与する量が少なくてすみ、

耐性菌の出現、腸内細菌への影響等の問題も起こりにくくなります。

 

 

歯周治療での抗菌剤使用(経口全身投与)では、

急性期に歯周ポケット内に侵入した細菌を殺したり、

手術時およびその後の細菌感染防止の目的で、種々の抗菌剤が用いられます。

とくにテトラサイクリン系が有効とされ、経過を観察しながら2~4週間程度服用します。

テトラサイクリンは血中からポケット内組織への移行がよく、

血中濃度と同等の薬効濃度を維持でき、副作用も少ないようです。

ただ、日本ではこの内服薬の投与はあまり広くは行われてはいません。

日本での歯周治療での抗菌剤使用の主流は先に述べた

局所的に用いる歯周ポケット内貼薬療法です。


 

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